需給調整市場の仕組みと利益最大化のポイント

電力の需給バランスを最適に調整し、利益を最大化する戦略とは?
近年、再生可能エネルギーの導入が進む中、電力の需給バランスを調整する「需給調整市場」の重要性がますます高まっています。
特に、系統用蓄電池を活用することで、市場の変動に柔軟に対応しながら利益を最大化できる可能性があります。
本記事では、需給調整市場の仕組みをわかりやすく解説しながら、どのようにして収益を生み出すことができるのかをご紹介します。
需給調整市場とは?
需給調整市場とは、電力の供給と需要をリアルタイムで調整するために設けられた市場です。
日本では、2021年に需給調整市場が本格的に開始され、一般送配電事業者(TSO)が、電力の需給バランスを維持するために必要な「調整力」を発電所や蓄電池事業者から調達しています。
需給調整市場は、以下の3つの調整力に分類されます。
調整力の種類 | 応動時間(制御開始までの時間) | 継続時間 | 主な用途 |
---|---|---|---|
一次調整力(FCR:Frequency Containment Reserve) | 10秒以内 | 5分以上 | 周波数変動の即時補正 |
二次調整力(aFRR:Automatic Frequency Restoration Reserve) | 5分以内 | 30分以上 | 発電設備の変動補正 |
三次調整力(mFRR:Manual Frequency Restoration Reserve) | 45分以内 | 3時間以上 | 需給逼迫時のバックアップ |
特に三次調整力(mFRR)の価格は変動が大きく、需給バランスが崩れるタイミングで高騰するため、適切な応札戦略を取ることで大きな利益を狙うことが可能です。
なぜ蓄電池が需給調整市場で有利なのか?
需給調整市場では、短時間での電力の充放電が可能な「柔軟な電源」が求められます。
その中でも系統用蓄電池は、瞬時に放電・充電ができるため、他の発電設備(火力発電や水力発電)よりも市場での競争力が高いのが特徴です。
例えば、火力発電は起動までに数十分~数時間かかるため、即応性が求められる需給調整市場では不利になりがちです。
一方、蓄電池は応動時間がゼロに近く、制御信号に即座に対応可能であるため、需給調整市場において最適なリソースとなります。
また、JEPX市場(日本卸電力取引所)と組み合わせて運用することで、さらに利益を最大化できます。
需給調整市場で利益を上げる仕組み
高価格帯の調整力(特に三次調整力②)を狙う
需給調整市場では、調整力の種類によって価格が異なり、特に三次調整力②の価格が高騰しやすい傾向にあります。
例えば、過去の市場データでは:
- 三次調整力②の加重平均単価:最大 18,450円/MW/30分
- 通常時の応札価格:7,210円/MW/30分
- 需給ひっ迫時の高騰価格:20,000円/MW/30分以上
このように市場価格が変動するため、高値を狙って応札することで利益率を向上させることが可能です。
JEPX市場と需給調整市場のハイブリッド戦略
需給調整市場だけでなく、JEPX市場(スポット市場)と組み合わせることで、さらなる利益を狙うことができます。
市場 | 価格変動特性 | 運用方法 |
---|
需給調整市場 | 価格が需給逼迫時に急騰(特に三次調整力②) | 価格高騰時に放電 |
JEPX市場(スポット市場) | 価格が昼間に低く、夜間に高騰しやすい | 安い時間帯に充電し、高値で売電 |
この2つの市場を組み合わせて、最適なタイミングで電力を売買することで、最大限の利益を得ることができます。
固定収益 + 市場価格変動を活用
需給調整市場では、応札するだけで「準備電源」としての報酬が発生する仕組みがあります。
- 蓄電池を需給調整市場に提供するだけで、固定収益を確保できる
- 価格高騰時に実際に放電することで、追加の変動収益を獲得可能
例えば:
- 需給調整市場で1MWあたり年間20,000円の固定収益
- 市場価格高騰時に放電し、追加で年間5,000円~10,000円の変動収益
この仕組みにより、安定した収益を得ながら、価格高騰時の利益を最大化できます。

需給調整市場のメリット
メリット | 内容 |
---|---|
高単価な電力売買が可能 | 需給ひっ迫時には価格が大幅に上昇し、大きな利益を狙える |
蓄電池の特性を最大限に活かせる | 瞬時に応答できるため、需給調整市場で最も有利なリソース |
JEPX市場との組み合わせで利益増 | スポット市場の価格変動を利用し、さらに収益を向上可能 |
固定収益 + 変動収益のハイブリッド運用 | 需給調整市場に参加するだけで固定報酬を確保しつつ、高値で売電できる |
まとめ
需給調整市場は、蓄電池事業者にとって大きなチャンス!
- 需給調整市場では、短時間での電力供給が求められ、蓄電池が最適なリソース
- 特に三次調整力②の市場価格は変動が大きく、高値を狙えば大きな利益を確保できる
- JEPX市場とのハイブリッド運用を活用すれば、さらなる利益の最大化が可能
蓄電池を活用し、需給調整市場の高収益ポテンシャルを最大限に引き出しましょう!